犬と楽しむ

ブログ 2018年10月2日 

先日ふらふら~っとコンビニを徘徊してて目に止まった雑誌『Tarzan

フィットネスに特化した30~40歳代をターゲットとした雑誌で、発刊されてすでに750号!私も若い頃はエアロビとなんちゃってボディビルディング、さらにサーフィンをやっていたので、その当時は愛読していました。

最新号(10/11号・9/27発売)のテーマは犬と楽しむフィットネスライフ。

アスリート系だけどお仕事はセラピーなんだ

表紙を見ただけで犬好きは買ってしまいそうなウキウキ感がたまらない写真の数々!おもわず手に取ってしまう訴求力の高さ!完璧です!

週末のfacebookのタイムラインは、私のつながりは同業や犬飼いが多いので雑誌の表紙写真とともに投稿が溢れていました。ただ、これはただの流行とかワーイ犬特集だ~ではないような気がします。

私達のような動物取扱業や犬好きにおもねっているわけではないですね。

世の中の流れを雑誌が敏感に感じ取って、この先の未来をなんとか作りだそうと必死になっている様子が感じ取られるのです。

 

先にトリミングサロンの世代分類について書きました。ペットライフが一般に広がり隆盛の兆しがあったのはいわゆる第3世代、今から20年くらい前のことです。

昔みたいに単に犬が「家にいる」という状態から、犬はパートナーであり家族の一員で「一緒に生活する」という認識が大都市を中心に広まっていきました。それを牽引したのは、当時30代から40代前半で比較的余裕があるお宅だったような気がします。子育てが一段落した世代が空の巣症候群を回避するために犬を飼い始めたケースもあります。彼ら(私も含め)現在と比べ可処分所得が多く、愛犬のためにお金と時間をやりくりして使うことが可能でした。動物病院やトリミングサロンが増え、ペットに洋服を着せることが抵抗なく受け入れられ、リードやカラーの種類が増え、雨の日にレインコートを着せる習慣もつきました。インターネットの普及がそれを後押ししていたのは間違いありません。犬を連れて旅行に行くという選択肢もできました。

さらに一歩進んで、イギリスやアメリカからドッグスポーツが輸入され始めました。

それ以前の犬のスポーツと言えば、犬がメインの例えば犬ぞりレースだったり(今は禁止となった)闘犬などちょっとマニアックで、それに関わる人達は怪しい筋の方々が多く一般人はおいそれとは近づけないものばかりでした。2000年頃のペットブーム到来により輸入された種目は、一般人が気軽に参加できるようなアジリティ、更に上を行くエクストリーム、コーシングやディスクドッグなど、フィールドで飼い主と愛犬が一体となって楽しむスポーツです。

その担い手の中心となったのが当時30代半ばくらいの愛犬家たちだったのです。彼らは生活に余裕があります。朝晩のお散歩で交友関係を広げネットで収集した情報をもとに週末にはドッグスポーツのフィールド(お教室)に通い、時には大会などで地方遠征をします。犬の大小は関係ありません。遠征をするには車が必須です。宿泊は車中泊だけでなくペット可のホテル(決して現在の犬ホスピタリティ全開のペット宿ではない)に滞在することもあるので、犬のマナーはとても重要でした。普段のお教室でも大会でも待ち時間はあるので、クレートトレーニングはもちろんおりこうにしていられる忍耐力は必要です。また健康管理も、はっきり言ってパフォーマンスや成績にも影響してくるので、飼い主はより注意深く自分の愛犬を見守っていました。ドッグスポーツをやるために、犬のトレーニング学校が存在しそこから派生して現在のしつけ教室や犬の幼稚園などができたのではないでしょうか。ドッグスポーツをやる飼い主さんはトリミングサロンなんかにお手入れを頼みません。全部自分でやります。コンディションを整え被毛を整え自分の愛犬が一番輝く瞬間を喜びとしているのです。もちろん犬も嬉々として楽しんでいなければ話になりません。そこが「犬と一緒に楽しむ」ところだと、私は思っています。

さて、この方たちが20年経って歳をとりました。当時活躍した愛犬たちももう亡くなったか引退したかで、もしかしたら次の犬を飼い始めているかもしれません。彼らはドッグスポーツの世界から身を引いてしまいました。一部には熱心に続けている方もいますが、その人達はさらに磨きをかけて世界へ飛び出し日本のドッグスポーツを牽引する立場になってます。先生(トレーナー)として活躍している人もいます。ですが、娯楽としてドッグスポーツに携わっていた人たちは、歳をとり犬と一緒に引退です。

翻って、平成も終わりになろうとしている今の30代はどうでしょう?朝のお散歩でそのぐらいの若い飼い主さんいるでしょうか?インスタグラムには若い人たちが愛犬のかわいい写真いっぱい載せていますしとても熱心にかわいがっている様子がみてとれますが、果たして一緒に何かを楽しんでいるでしょうか?あなたがペット業に従事しているしたら、自分のお店にそのぐらいの年代のお客様ってどのくらいいるでしょうか?圧倒的に少なくないですか?

 

今の30代~40代は大変忙しいです。働き方改革という時代でもプライベートは子供のことで手一杯。塾の送り迎えもあるし、休日は子供の習い事や部活やスポーツの付き添いに一日取られてしまいます。ズバリ言いますが、可処分所得も減って、犬を飼わないお宅が増え、飼ってもコスパが大事なので余暇をドッグスポーツで過ごすことはなくなりました。(当時でもドッグスポーツはマイナーでしたけどね)。

猫カフェは増えているけどドッグカフェは減少しています。実は犬と一緒に行ける場所は少なくなっています(これは飼い主マナーのせいです)。

犬の飼育頭数は年々減って、昨年はとうとう猫の飼育頭数を下回りました。これからどんどん減っていくでしょう。

 

この状況を憂いたのか危機感を感じたのか。もしかしたらTarzanの編集部の中に無類の犬好きがいて、ペットライフの楽しみを世に知らせて社会を変えようと思ったのかもしれません。とにかく読者層ターゲットの若い世代に、しかもフィットネスに関心が高い(=セルフコントロールに意識が高い)層に向けて「ドッグスポーツやってみようじゃないか!」と提案しているのです。

 

記事の内容はとても充実していて秀逸です。基本的なしつけの前に、まずは犬飼いとしての飼い主の心構えやマナーをしっかり啓蒙しています。ほんとうに犬をリスペクトして愛情を注いでいる文章があちこちにちりばめられています。散歩の仕方も丁寧に説明してあり、個人的にはしつけ教室の教本にしてもいいのではないかと思います。

一緒に歩く、一緒に走る、愛犬の健康をキープする、一緒に筋トレする、山歩きする、キャンプに行く、アジリティやディスクをやってみる、と段階を踏んでまとめられ素晴らしいです。随所におすすめグッズなどがあり、犬の気持ちに寄り添っています。そこだけ引用します。

  1. ドッグファーストの精神を忘れない
  2. 犬に安全な空間を確保する
  3. 犬が嫌がったら無理強いしない
  4. 回数にこだわらない
  5. アイコンタクトを忘れない

これ、簡単そうにみえるけどきめ細やかな配慮がなければできないことです。わたしたちトリマーの意識にも共通しています。

犬を飼っている若い読者に「せっかく犬を飼ってるアドバンテージがあるのだから、フィットネスしながら一緒に楽しめば?」って徹底的に提案している特集なのです。

この特集を機に少しでも多くの犬飼い一家がペットライフを楽しめるよう、また犬を飼っていないフィットネス世代が愛犬家に温かい眼差しを送れるようになればいいなと、毎日Tarzanを読みながら少し回顧もしているのです。

 

ちなみに私もドッグダンスというドッグスポーツを熱心にやっていたので、しつけやトレーニングに関して、犬の骨格や関節に関してのこだわり、また犬へのアプローチの仕方については普通のトリマーさんたちとはちょっと違うと思います。そこは、どうぞご来店くださってその目で確かめてくださいね(笑)