天才犬

ブログ 2018年10月22日 
ご来店くださってる間にトリミングルームからこんな声が聞こえてくることありませんか?
「わ、すごーい!〇〇ちゃん天才!」「がんばれてる!すごいよ、てんさーいっ!」
これってリュバンテールあるあるかも(´∀`*)ウフフ
天才』ってワードを頻繁に使って犬を褒め調子づいてもらい楽しくグルーミングできる魔法のことばです。褒め殺しってわけでもないんですけど、普段聞き慣れない言葉に犬はとてもよく反応します。天才!

 

褒めて伸ばす陽性強化というしつけが永続的に流行っています(勘違いしてる人も多いけど)。たぶんどこのご家庭の犬もたくさん褒められてのびのび育っていることでしょう。
でもね、いつもおりこうさんな子は「おりこうね~」とか「お上手!」とか「いいこ」「かわいい」って言われ慣れてて、そんな言葉、はっきりいって飽きてるし、他人のトリマーが連発しても響かないんです。

 

 お爪切りするよ、おてて貸してね、わっ、我慢してくれた、天才~
 お顔にお湯かけるよ、少しずつだから目つぶってね。わっ、よくできてる、てんさーい!
 反対向くからUターンしてね、天才!
こんな感じです。

 

犬に話しかける言葉は殆どが接頭に「お」がつくのです。気づいてますよね。
「おすわり」「おて」「おかわり」「おりこう」「おはよう」「おやつ」
人間が発する言葉で最初に「お」がついていると、犬はその先を聞き取り、要求されていることを考え、それから行動に移らなければなりません。
プロセスが複雑すぎる。
で、人間が待ちきれなくて何度も同じ言葉を繰り返してますます混乱に陥らせる。やばみ。

 

私たちは犬たちがおりこうさんだから「おりこう」って言いたいけど、それってありふれていて伝わりにくいのではないかとずっと思ってます。
瞬時に伝えたい。
だから私は天才!を連発。たまに「上手!」って言葉も織り交ぜます。
「テ」とか「ジョ」をはっきり言うことで、いぬのきもちを鼓舞します。
嬉しい気持ちにさせ、この行動は良いことなんだって理解してもらうという意味をつけています。

 

なにかの本で読んだかですけど、非常に印象に残っている言葉があります。
天才とは、楽しみながら努力することができる人のことだ
本来、人間の誉な性質を指す言葉です。生まれつき備わった優れた才能だと辞書にもありますが、楽しみながら努力できるってまさに天才ってそんな感じ!
はっきり言います。犬だって努力してるんです。
トリミング中も、本当は肛門腺絞りが嫌なのに我慢を努力しているかもしれない(人間だってやられたら嫌だよ、自分も肛門絞られてみるか?ってよく喩えてます)、落ち着け落ち着けと(カーミングシグナル)ベロをペロペロしたいかもしれない、でもハサミあたったら危ないのでちょっぴり我慢5秒でいいからとお願いしています。犬はお願いされたから頑張っちゃいます。努力してくれています。
少しでも我慢という努力行動をとってくれたら思いっきり褒めます。お礼の言葉「天才!」
そうすると犬は、ちょっとした努力って嬉しいことかもしれない、次も頑張ってみようかなって楽しくなるかもいれない。なってくれればいいなと犬の気持ちを引き出すためにも「天才!」って声かけします。聞き慣れないから「おっ?」ってなるんですね。

 

飼い主さんから「うちの子、キッチンでいたずらしたのよ~」って言われれば、すごいじゃないですか天才かもって即座に言っちゃいます。
だって工夫して楽しんで努力して犬自身の目的を達成したわけですよね。はっきりいって天才です。ただし、やって良いことと悪い事の区別はつける、というか、人間側が犬以上に頭を使っていたずらをさせないようにすればいいんですよ。良いことと悪いことの明確な線引は、それが犬自身や家族にとって危険(を引き起こす可能性がある)か否か、たったそれだけだと思っています。
それを、人間が努力もしないで問題行動だとか頭が悪いとかいうのはおかしい。
・・・あ、論点がずれました。しつけっていうのは安全を守るためのマナーとルールにすぎません、ということだけ付け加えときます。

 

言葉の選び方で有効なTipsをここでお伝えしときますね。
  1. 「おて」と「まて」は非常に似通った言葉で犬が区別をつけにくい韻律です。どうしても力がはいって後尾の「て」が強くなってしまうと、犬は「あれ、最初の発音はオだったかな?マだったかな?」となってしまいます。簡単に区別をつけたいなら「マッテ」にしてみてください。明確に区別をつけるなら待ては「ステイ」に統一しましょう。
  2. 愛犬の写真をいっぱい撮りたいですよね。飼い主さんは必死に「マテ」を連発しちゃうけど、犬からしたらもうとっくにマテはやってるわけです。飼い主さんがシャッター切るのが遅いだけ。撮影の時の言葉を「カメラ」とか「パシャ」とか最初に破裂音がくる言葉に変えてみてください。比較的すんなり静止する傾向にあります。上手に撮影させてくれたら、必ず褒めたりご褒美を上げて犬にお礼をしてくださいね。

 

犬に話しかける言葉は、人間(飼い主)が努力して工夫してみてください。楽しめればあなたも天才!